このコーナーは、みなさんからの質問にお答えするコーナーです。
出来る限りお答えしますが、飲食店関係の方やこれからプロを目指す方は基本的な燻製の種類、工程など書籍などで
事前に調べられてご質問ください。趣味として作る場合と仕事として燻製を作る場合では、量や効率の面で工程が違ってくる
ためです。(一部掲示板より移行しました。)メールで寄せられた質問なども掲載しています。
2008 8月
質問があります。
自分で牛の肩バラ肉(ブリスケ)を味付け、燻製にし、それをサンドイッチにして売りたいと思ってるものです。
いろいろ調べたところ、燻製は食肉加工になるので、”食品衛生管理者資格”とのことですが、
飲食店で料理として出す場合もこの資格は必要なのでしょうか?
また、営業許可に関しても、飲食店で料理として出す場合はもっと簡便になるとのことですが、
なにかその詳しい情報を得る場所、手段などご存じないでしょうか?
どんな情報でもかまいませんので、よろしくお願いいたします。
(答え)
おはようございます。
スモークハウス道楽亭の佐藤です。
ご質問の件ですが、食品衛生管理者の資格が必要となるのは
販売方法できちっとパックして販売する場合になります。
例えばハムやソーセージなど袋詰めや真空包装して日持ちをよくした
商品を製造販売する場合、その製造所には上記の資格者が必要となります
これがレストランなど調理してすぐ食べていただく場合(つまり包装しないで)や、
テイクアウトしてもその日に食べてもらうことが前提の簡易な包装などは上記
資格者は必要ありません。
作る物は生ハムでも魚介類の燻製でも製造に制限はないのですが、それを
どのような形で販売するかで違ってくると言うことです。
うちのように製造して店舗販売を行っているところでは、管理者の資格と製造品目
にも制限がありますが、飲食店で作って出す分にはこの資格や制限がないと言うことです。
ただし、飲食店も保健所での営業許可が必要ですので管轄の保健所にて許可を受ける
必要がありますが、簡単に言えば建物と製造品目に対しての許可ですから、パックして売ら
なければ許可を得やすいと言うことです。
私の持っている情報はおおむね合っていると思いますが、最近の偽装問題などで法令が
変わっていることも考えられますし、地域により条例が違いますので、店舗の施工業者が詳しい
場合もありますが、いずれ保健所の許可が必要ですから一度相談されることをおすすめします。
2006 7/12
伊藤様
おはようございます。
ご連絡ありがとうございます。
そうですか うまくいきましたか、よかったですね。
家族のみなさんやご友人が認めた味は確かな物だと思います。
燻製は一つうまくいくと、いろいろな種類に応用できコツがつか
めてきますので、これからいろいろチャレンジしてみてください。
きっと燻製の奥の深さに魅了されることでしょう。
えっもうハマッてますか。
またお便りください。
スモークハウス道楽亭
2006 7/11
スモークハウス道楽亭
佐藤様
以前,酸っぱくなると質問させていただきました,秋田市の伊藤と申します。
あれから2回,地元産の和牛スモークを作製し続け,やっと丁度良い燻し加減が
分かりました。
かなり気温が高くなったので,自然乾燥によるジャーキー作りは出来ない季節ですので
熱燻による和牛燻製です。
本当においしく出来,家族や友達から絶賛され,うれしくなりメールいたしました。
一緒にいつも卵の燻製も作るのですが,これはほぼ完璧です。
どうもありがとうございます。今度は魚に挑戦してみたいです。
2006/4/20
おはようございます。
想像だけのアドバイスで実際うまくいけばいいのですが。
燻製は緻密な部分もありますが、以外とアバウトなものです。
燻煙中も時々色を見たり味見して好みに仕上げると良いと思います。
お楽しみください。
スモークハウス道楽亭
佐藤
2006/4/19
スモークハウス道楽亭
佐藤 様
伊藤です。再度アドバイスありがとうございます。
私の中で,燻製(加熱)≠肉の中まで加熱 という概念がありませんでした。
佐藤様のアドバイスのお陰で,やっと謎が解けたという感じです。
有り難うございました。
秋田はやっと春の魚が釣れ始めましたので,それらを燻製にする楽しみが広がりました。
(肉系の燻製はもっぱら,地元牧場産の安全な肉を使用しています。)
これからも色々勉強していきたいと思います。
有り難うございました。
2006/4/19
おはようございます。
さてジャーキーの燻煙の後の加温の件ですが、かまいません。
スモーカーの中で材料に熱を通してしまいたい場合、加熱中
燻煙する必要はなく、好みの煙の香りと(酸味が出る前に)、色が
付いたところで燻煙を終わり、後は加熱だけで中まで火が通った
状態に仕上げます。
これは肉が薄いジャーキーや火が通りやすいササミなどに適します。
ちなみに肉厚のベーコンやハムなどは、スモーカーの中で完全に熱が
通った状態に仕上げるには高温で長時間かかりますので表面だけ
焼けすぎることがあり、こんな場合は半生で仕上げ、食べるときに焼くか
ボイル殺菌の工程を加えて中まで火を通します。
ジャーキーをソフトに仕上げる場合、肉の中に水分を閉じこめた状態に
しますので加熱は高温で一気に行い焼き上げるようにします。
逆に水分を抜き、堅い状態に仕上げるときは中温で時間を掛けて乾燥
させます。
いずれお使いのスモーカーの大きさで肉類の水分含量で酸味が出るのは
明らかに煙の掛けすぎか煙源に近いためかと思います。燻煙による効果は
発色と風味付けで、加熱とは別に考えた方がわかりやすいと思います。
こんな所でいかがでしょうか。さらに不明な点などありましたらご質問ください。
2006/4/19
スモークハウス道楽亭
佐藤様
早速のアドバイスありがとうございます。
とても参考になりました。
スモーカーが大きいので,チップを気持ち多めにしていたのが原因と思いました。
また,ジャーキーも柔らかめのものを作製していましたので,水分が多かったのだと
思います。
チップを少なめにした場合,すぐに煙が尽きると思うのですが,その時はそのまま
加温していた方がよいのでしょうか?それともその時点で加熱を終了した方が
よいのでしょうか?
再度,お手数かと思いますがよろしくお願い申し上げます。
2006/4/18
伊藤様
おはようございます。
スモークハウス道楽亭の佐藤です。
ご質問の件ですが、燻製を作って酸っぱくなる原因は
1)煙の掛けすぎ
2)原料の水分が多い
3)ヒッコリーなど鬼グルミのチップ使用
などがあります。
またスモーカーが小さく煙の源から原料までの距離が近いと
煙の付着が良いため少しのチップでもしっかりつきます。
したがいましてスモーカーが小さくチップが多いと原料を風乾した
ものでも酸味渋み等出てしまいます。
さらにイカやとうふ・こんにゃく等のように水分の多い物も酸味が
出やすい材料です。
3)のチップはスモーカーをある程度大きく(一斗缶以上)し、チップを
少な目にすれば使えます。
伊藤様の場合たぶんチップの量が多いためと思われますので
色が付く程度のチップ量にし後は熱だけを加えて加熱、乾燥状態に
してみてください。味を見ながらチップを足しても良いと思います。
うちのホームページで趣味の燻製のコーナーがありますが、中華鍋
のように小さい場合チップはひとつかみで燻煙後は熱を加えている
だけです。
それから温度ですがこれはスモーカーの大きさによって異なります。
同じ80度でもドラム缶と一斗缶では出来上がりが違いますのでその
スモーカー毎に出来を見て温度と時間を取っておく必要があります。
いずれ使いこなすことが重要で、今お使いのスモーカーでも充分利用
可能ですが、今後熱燻をお考えでしたら耐熱性のスモーカーをおすすめ
します。
2006/4/18
初めまして。秋田の「伊藤」と申します。
趣味で燻製を初めて,まだ1ヶ月ほどです。釣りが好きで
釣った魚を燻製に出来たらな〜と思い,燻製作りを始めました。
自作のベニア板スモーカー(45cm×46cm×90cm)に1200Wの電熱器を入れ
サーモスタット(オムロン温調PID制御)を使用しています。
80℃まで試しましたが,かなり安定した温度管理が出来ます。
手軽と言われる燻玉やスモークジャーキーを毎週4回に渡って作製しました。
下準備や風乾具合はコツをつかめたと思っておりますが,問題の燻製で
かなり手こずっております。
温燻(70℃前後)で30分ほどで,かなり酸っぱい感じになります。
(表面のみに木酢が付着した感じ。)
煙が対流しすぎているのか,チップが悪いのか?それとも温度が低いのか?
色々な要因はあるかと思います。
(現在は,クルミをメインに使用していますが,サクラが良いのかと検討中です。)
一度ササミジャーキーを作りました。塩分を抑えたので,カチカチに乾燥させました。
70℃×40分で良い色づきになりましたが,かなり酸っぱく,酒のつまみには
最高でしたが,そのままではちょっと頂けないなという感じでした。
近所で燻製屋を営む方は,熱乾燥3時間⇒熱燻120℃×6時間で,とても癖のない
燻製を作製しております。これを聞いて色々混乱してしまいました。
温度を上げ,煙の通りをもっと良くした方がベストなのか?と悩み中です。
スモーカーを一斗缶や市販のステンレス製に変更すれば,熱燻も可能ですので,
変更した方がいいのかな〜とも思っております。
大変お忙しいと思いますが,アドバイス頂けたらと思いメールいたしました。
よろしくお願い申し上げます。
(質問)
塩漬けの時間と濃度は?
(答)
秘密です。
ご来店いただいたらお教えします。
(質問)
塩抜きはしないのですか?
(答)
しません。塩抜きはそのときの原料の鮮度や水温などに左右されることと、生の状態で仕上げる物に必要と考えます。うちは加熱
製品なので一つの塊を小さくすることで浸透を良くし濃いめのソミュール液で短時間漬け込み、塩抜きをしません。ただ出来たては
表面と中心部での塩味が均一ではなく加工後冷蔵し味をなじませます。この時に煙の成分と原料の化学反応(熟成)があり深みの
ある味に変化します。
(質問)
レバーの燻製は作りませんか。
(答)
以前畜産の仕事をしていたとき上司から教えられたことですが、豚などのレバーに白い固まり(5〜10ミリくらい)があり
これはエサに抗生物質を混入して与えたものがレバーに蓄積したものだと言うことでした。
狭い畜舎で飼育される家畜たちはストレスなどで病気になりやすいためで、多くがこの飼育方法です。
安全で美味しいレバーが手に入れば作ってみたいと思います。
(質問)
牡蛎の燻製は作りませんか。
(答)
はい実は私以前牡蛎で食あたりを起こしまして、それから何度か試してみたのですがダメでした。
どうしても食べた後具合が悪くなってしまいます。聞くところによると牡蛎は一度あたると無理だとか。それで燻製に
してみたこともあるのですが、自分で試食できませんので諦めました。
ただ日本海側の岩牡蛎は食べられましたが、原料の入手が困難です。
(質問)
味付けは塩だけですか?
(答)
ほとんどがソミュール法です。
ベースは粗塩で、三温糖・スパイス・香味野菜・ワインなどを素材によって変えて漬け込み液(ソミュール液)を作ります。
これはベーコン用ソミュール液
(質問)
Kさんより
燻製を仕事にしたいのですが?
(答)
まず資格が必要です。肉類を加工し包装して販売する場合、食品管理者の資格を持った人が必要です。この資格は、医学・薬学・畜産などの理学系の大学を卒業しているか、講習を受けて資格を取ります。私の場合畜産科を卒業していたので資格を持っています。
講習については管轄の保健所に問い合わせてください。
(質問)
どのような許可が必要ですか?
(答)
保健所からの営業許可が必要です。肉類は「食肉製品製造業」、チーズなどは「乳製品製造業」、豆腐やシーフードなどは「そうざい製造業」です。
基本的な建物の構造などは同じだと思いますが、営業をしようとする場所や携わる人数などによって変わってくるようです。建物は解体・漬け込み・燻煙室・包装室などに分け、凹凸がなく耐水性であるなどです。趣味で生ハムなど作りますが、これを品目に入れようとすると極端な話、オールステンレスの部屋になってしまいます。従って許可されているところが少ないです。
最近の食中毒事件などで厳しくなってきている面と、不況のため緩和されている部分とがあるようです。
(質問)
もっと簡単な方法は?
(答)
飲食店で料理として出す場合は、もっと簡便になります。生ハムも作れます。
ご質問がありましたらメールでお願いいたします。わかる範囲でお答えいたします。またデータが古い場合もありますので、確実なところはご確認ください。
メールはこちらから douraku@gaea.ocn.ne.jp
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